冬の絵本なんですが。

私はすごく好きな絵本です。

小学校高学年から大人向け。

漢字にふりがなが振ってあるので、低学年でも読めないことはないけど、内容を理解するには高学年から。

写真家のお父さんと二人暮らしのダニエルは、絵を描くのが好きな女の子だ。

だけど、どうしても見たままを絵に描くことが出来ない。

カエルには羽が生えるし、
うさぎはシルクハットをかぶって立っているし。

お父さんには見たままを描くんだよと言われるけど、どうしてもそうは描けない。

お父さんは写真を撮って、それを売って暮らしているのだが、全く売れなくなってしまった。
それを気に病んで寝付いてしまう。

とうとう食べ物を買うお金がなくなってしまったダニエルは、お父さんの写真機を持って外に出る。
自分で写真を撮って、それを売ろうと。
けれど当たり前だがうまくいかない。

困り果てて雪の中座り込んでしまったダニエルに、絵を描く婦人が声をかけた。
そして、ダニエルは婦人の助手になることが出来る。

明日からお仕事に来る約束でお金をもらったダニエルは、お父さんの元へ帰る。

そしてお父さんは、ダニエルが、自らの力で、進む道を見つけたことを知る。



繊細な絵とストーリーに引きつけられる。

何度か低学年の子供達に読もうかと思って、やめた絵本。

大人ではなくて、やっぱり思春期に入る頃の子供達に読んでほしい。
はー子が、
「これはイマイチだったー」
と言っておりました。

確かに、ちょっと物足りない感じ。
なんかねえ、相性のいい本や絵本って、目に飛び込んでくるよね。


オオカミおばさんに、どう言うわけかとってもシンパシーを感じると思ったらさ、

子供が嫌いって言い続けてたのに、子供が出来たらあらびっくり! 子供きらいじゃないじゃない!

って言う、私の姿だからですね。

世の中にはそう言う人がたくさんいると思うので、ぜひお読みくださいませ。
春、新入生への読み聞かせにいいかもしれません。

中はなかなか凝った作りになってます。
本棚に並ぶ絵本のタイトルを読むのも楽しい。これ読みてぇ! と子供達と身悶えする。

絵本の中に書き込まれた、本だなの中の本のタイトルを必死で読み解くのもおもしろい。
「ホネホネさん」シリーズの、ニョロコさんの本だなとか、ナマズさんの本だなとか、つい目を凝らしてしまう。知ってるタイトルが並んでると嬉しかったりして。

そう言う、読みながら子供達と楽しめる本っていいよね。
大勢への読み聞かせの時はもちろんそこら辺は触れずに過ぎちゃうけど、誰かが手に取った時、「バムとケロ」のシリーズなんか、「ちっちゃいわんこが、アイス落っことしちゃうんだよー、どこだか探してごらん」って一言言うだけで、目がキラキラするもの。

さて、「きみのえほん」
絵本として生まれたからには、やっぱり読まれたい。
おもしろいと思われて、買われたい。
そんな願いもむなしく、絵本はおもしろいと思われないんだ、と心を閉ざしてしまう。

その絵本を小さな男の子が手に取ったところから、絵本の心はほぐれていく。
さあ、お話を…と思ったら、絵本は自分の中身を思い出せない。
絵本は悲しくなってしまったけど、心配いらなかったんだ。
だって、お母さんが男の子に絵本を読んであげたから!

どうして絵本が、「きみの」えほんになったのかは、最後の最後のお楽しみ。

春、新しい1年生が学校に入った頃。
あるいは、入学式を待ち望む、短い春休み。
それとも、1年生が、新しい2年生になったあたりで。

読んであげるといいと思います。
桜の花の下で読んであげてください。
私は、こう言う説教くさい本が、
それも絵本のくせに説教くさいこの本が、


だいっきらいだ!!!


絵本のくせにページの80%が、道徳の教科書みたいな会話。


ねずみくんシリーズって、なんか説教くさくない? と前から思ってたけど、結構子供って好きなんだよね。

しかし私はやっぱり好きじゃない。
そしてこの「ねずみくんのきもち」は読んでてもう、途中でやめようかと思った。
ひよ子が選んで借りてきて、読み聞かせしはじめちゃったから最後まで読んだけど。
正直なところ、読み終わったあとのこの気持ちをどう表現したらいいのか、わからない。

かいぶつは醜い。
あんまり醜いので、どうぶつも鳥も逃げ出し、花は枯れ、草木も立ち枯れ、土地は荒涼となる。

かいぶつは寂しかった。

だから、石で動物を掘ってみた。

かいぶつから逃げる動物の背中しか見たことがなかったので、石の動物たちに顔はない。
けれどもかいぶつは嬉しかった。
嬉しかったから笑った。

……石で作った動物は皆、壊れてしまった。
かいぶつが笑ったから。

たったひとつ、うさぎの石だけは壊れなかった。
かいぶつは、荒涼とした風景の中、石のうさぎと暮らした。
けっして石のうさぎは、かいぶつの話しかけに応えたりはしなかったけれども。
それでもかいぶつは1人ではなかったのだ。

やがて、かいぶつは年老い、やがて死んだ。
石のうさぎだけが残った。
荒れ果てた大地に、緑が、草が、木が、花が萌え、動物も鳥も魚も戻ってきた。
その土地を訪れた人にはわからないだろう、
なぜここに、石のうさぎがひっそりとあるのかが。


そう言うストーリーだ。

泣いていいのか、
笑っていいのか、
わからない。
思い出すと、胸が締め付けられて、涙がうかんでくる。

じわじわと、ひとりぼっちのかいぶつの寂しさが染み通ってきて、そして残酷な運命の仕打ちに気持ちがざわざわして、

自分の感情をまとめられないので、はー子とひよ子にも読めない。

この感情は、「しずかな感動」ではないと思う。
姿の醜さと、心の美しさは違う、と言うことを言いたいストーリーなのだとしたら、あまりにもかいぶつがかわいそうだ。
石のうさぎがいたから、かいぶつはかわいそうではなかったのだろうか。
たったひとつの石のうさぎだけが、かいぶつの心の美しさをわかっていたのだろうか。

かいぶつが生きているうちに、花が咲いたらよかったのに、と、かいぶつが死んだあとの風景を見て思う。
表紙がかわいいじゃないですか!

冬眠から覚めたくまさんはお腹がすいています。
お腹がすいてお腹がすいて、ともだちがごちそうしてくれたものを食べても食べてもおなかがすいてます。

食べて食べて食べたくまさん、くまさんのおうちに入れなくなっちゃった!
お腹がつかえて!
くまさんお目覚めおめでとうパーティはどうしよう?

と言う、たあい無いお話なんだけど、単純に、「空腹で食べるものは本当においしい」と言う、子供達の本能に訴える絵本なんじゃないかと思います。

だからこれ、非常にお気に入りです。
だってお腹がすいて食べるごはんは本当においしいもんね。
ちょっと声色を変えながら、ケレン味たっぷりに読んであげると喜びます。

はー子もひよ子も、すっぽんぽんのすけが好きで好きで!!

荒井良二が前から好きなんだけど、ほら、「スキマのくに」とかもう、脱力するようなのんびりさが。

荒井良二が挿絵を描いた絵本の中でも、特にひよ子はすっぽんぽんのすけが別格に好きなようです。

何回も借りて、また借りた絵本。
買ってやるか…
蜜柑さん大好き、たかどのほうこの絵本です。

たかどのほうこは、読み物もおもしろいけど、絵本もすごくいい。
絵が、なんて言うか、たかどのほうこにしか出せない味があって、なにより好きだ。

今回、この「ゆかいなさんにんきょうだい」のシリーズは、紙に描いているのだけではなくて、布を切って貼っています。

一番上のお兄ちゃんが、ご褒美に箱入りのおいしそうなお菓子をもらいます。
独り占めしようと思ってクローゼットの中に隠れて食べるんだけど、二番目のお兄ちゃんが気が付いて、あとで忍び込んでお菓子を食べる。
三番目の弟も気が付いて、忍び込んでお菓子を食べる。
一番目のお兄ちゃんがまた食べようとクローゼットに入ったら、箱の中は空っぽ!
みんなちょっとしか食べてないのに、じゃあ誰が食べたんだ!?
食べたその正体は、なんとオバケ。
クローゼットの中のオバケ。
最後のオチがちょっといい。
ひとりじめじゃなくて、皆で食べたほうがおいしいもんね。

(でもひとりじめしてなんか悪いことしてるようなそのスリルもいいと思います、私は)
(子供がやってたら怒るけどね)
ミミはどうやらうさぎのおにんぎょうらしい。

女の子のポケットから落ちちゃったミミを、冬眠に向かうクマが助けてくれます。
ミミは無事にお家に帰れるんだけど、眠くて眠くてふらふらしていたクマが、ちゃんと穴に潜って冬眠出来たか、ミミは気になって仕方ありません。

夜、そっと窓から抜け出したミミは、森の道の真ん中でそのまま眠ってしまっていたクマを見つけます。
たいへん。
やっぱり間に合わなかったんだ!

ミミが困っていると、キツネやリスのどうぶつたちが助けてくれました。
枝を集めてクマに立てかけ、コケや枯れ葉を集めて暖かい屋根を作ります。
クマは気持ち良さそうに眠っています。
やれやれ一安心。

冬、さむーい夜に、おこたに入って子供に読んであげるといい本です。
誰でも「あ〜」って思い当たるところがあるんじゃないかしら。

かいぶつ村の大きな木の下の舞台で、着ぐるみ劇があるから、キャストも見物人もみんな時間前には用意を始めて、のんびりと会場に向かうのに、主人公は寝てる。

ギリギリの時間に起きて、大慌てて支度をし、大慌てで道を駆け、大慌てで楽屋に入り、大慌てで着ぐるみに着替え、大慌てで舞台に飛び出したら…

はー子もひよ子も、にやにやしながら聞いていた。
思い当たるところがあるからね。
大人なんか特にね。
ほら、ぎりぎりまで寝てる幸せってあるもんね。

作者のライマには他に、「おこりんぼうのアングリー」と言う同じかいぶつ村のシリーズがあって、こちらもおもしろいです。
こう言う言葉遊び絵本、大好き
「ぼくのかわいくない いもうと」が有名な作家さんですが、これもいい絵本だー。

どちらかと言うと、かがく絵本に近い気がする。

最後のページがね。
おもわず、うーんとうなってしまうような、本当にいい文章でしめられてます。
これは最初から読んでいって、このラストでしめるからいいんだと思う。
からここには書かない。

この絵本にはノックアウトされました。

オリンちゃん(…どう言うアクセントで読めばいいのか)が、ベッドで寝ているひいおばあちゃんのところに、たった一個しかならなかった姫リンゴを持っていきます。
毎年たくさんなるのに、ことしはいっこしか持ってこなかった。
どうしたの? と聞くおばあちゃんに、オリンちゃんがいろいろ考えます。

あのね、かわいいこがちょうだいって言うから、ちょっとだけあげちゃったの。
あのね、いじわるな子がちょうだいって言うから、ちょっとだけあげちゃったの。
あのね、知らない子がいたから、仲良くなりたくてちょっとだけあげちゃったの。

その理由を聞くたびに、おばあちゃんは、どうりで、と言います。

どうりで。このあいだ、かわいいこがきたの。いっしょにかいものしたのよ。
どうりで。このあいだ、いじわるなこがきたの。いっしょににわのおていれしたのよ。
どうりで。このあいだ、しらないこがきて、いっしょにみなみのくにへいったの。たのしかった。

おばあちゃんがベッドの上で思っていたのだろう、ささやかな日常のあれこれを、オリンちゃんとの空想の中でかなえる。
ほんとうにささやかなことなのよ。それがとても切ない。
ひいおばあちゃんと、オリンちゃんのお互いの優しさと愛情とに、もう読むたびにやられます。

派手ではないけれど、滋味あふれる、切り干し大根の煮付けのような、すごくすごくいい絵本だと思います。
表紙は横開きなんだけど、表紙をめくると、絵は見開きで縦に描かれています。

そして冒頭から真ん中までは下から読み、真ん中から次のページはくるっと本をひっくり返して今度は上から読んでいきます。

もぐらの上にあるものはなあに。
草の根っこ。
草の根っこの上にはなあに。
ひらひらと飛ぶちょうちょ。

のように、ページの下から上に向かってストーリーが描かれています。

次のページをめくる時、自分の予想が当たるか外れるかワクワクする感じがすごくいいみたい。
絵本も別枠で記録していこうと思います。
でもさあ、どうにも出てこない本もあって、どーすりゃいいのー。

好みかどうかは別として、いい本だなーと思う絵本。
ちょっと胸も切なくなって、最後はほっとして、子供達好きだと思う。
かえるこちゃんと、とかげこちゃんがおうちのタンスをあさって、変身するの。

かえるこちゃんはお姫さまに!
とかげこちゃんは海賊に!

二人はタンスの引き出しで、大海原へ冒険に出ます。

そしたら大変!
海からまっしろぺんぎんみたいなオバケが出てきて、とかげこちゃんをさらっちゃったの!

かえるこちゃんは大慌てでまたタンスに戻り、とかげこちゃんを救うために変身します。
二人はどうなっちゃうのかしら!




いやもう、ほんと、こう言うの大好き。
名前もいいでしょ、かえるこちゃんととかげこちゃん。
ひよ子こちゃんとはー子こちゃん、と読み替えて読んでやりました。特に喜びはしなかったけど。

ひよ子が「へんしんごっこ、やっていい!?」と興奮していましたが、えーと、ちゃんと後片付けが出来るんならいいですが。
いったいこれって、なんなのか。

はー子とひよ子に大ウケ。

表紙は、「今ね、こんなキャラクター考えてるの」と説明しながら描いたような、練習中の絵である。どう見ても。

中身も、黒の線だけで構成されたシンプルな絵なんだけど、ものっすごいシュール。

そして、非常に読みやすい。
あ、これはあれです、声に出して読みやすいという意味ね。

絵本の中には、小さい子向けのくせに、読み聞かせされるということをまったく考えないで文章を作ったんじゃないのか、と思うようなものもあるんだが、すらすらっと口に出る。
話はそれるが、谷川俊太郎が訳してるレオ=レオニの絵本もものすごく読みやすい。谷川俊太郎のは、あんまり読みやすいので少し恐ろしいくらいだ。

何はともあれ、ちょっと声色をいつもと変えて、テンポよく読んでいただきたい。
幼稚園でも小学生でもきっとウケること間違いなし。

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