「風の靴」

2009年5月27日 読書
「かはたれ」「だそかれ」シリーズの朽木祥さんの新刊です。

読んでいる間中、胸の痛みを感じた「かはたれ」とは違って、とても明るい。
主人公の海生かいせいの痛みは、「喪失」ではないから。

祖父の死、と言う喪失はあったとしても、それがメインテーマではない。

さて。

この物語は、アーサー・ランサム好きにはたまらないだろう。
読み始めてすぐに、
「ああこれは、『海へ出るつもりじゃなかった』だ」
と思った。

海生と親友の田明でんめいは海へ出るつもりで(少なくとも海生は)ディンギーに乗ったのだが。

海、犬、思春期の男の子の成長、傷ついた一人の男。
男の子は成長する。
自分の痛みとコンプレックスを受け入れて、一つ前へと踏み出す。

夏に、ぜひ。

海の見える場所で、
出来るなら船の上で。
潮の匂いをかぎながら、どうぞ。

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