私が高校生の頃、私はやっぱり今でいうオタクだった。
その頃はまだオタクという言葉は無くって、でも、まぎれもなくオタクそのものだった。

高校生の頃にこの本を読んでも、たぶん「なんかちょっと違うなあ」と思いながらいたかもしれない。

似てるけど、違う。

今ならわかる。
あの頃は本当にただひたすら若かったし、この本に出てくる女の子たちと一緒だった。

痛いような、切ないような、退屈なような、輝いているような、どうにも自分の気持ちや感情を持て余して落ち着かない感じ、そのものの時間の中にいた。

読みながら、読み終わってから、とてもたくさんのことを思い出した。
高校の図書室の匂いまで思い出した。
恥ずかしくていたたまれないような行動も、思い出してしまった。

なんていうか、ちくちくと私の記憶をつつく、グルーヴ感のある短編集でした。

ISBN:4087748472 単行本 吉川 トリコ 集英社 2007/02 ¥1,365

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