「家守綺譚」

2008年1月16日 読書
梨木香歩の、大人向けの短編小説集。

美しい。
知らなかった、こんなに好みな文章を書く人がいたなんて。

時代はおよそ百年前。

まだ、肌着に着物を着て、袴を履いた書生風の服装が当たり前だった時代。
おかみさんは髪を結い、着物に割烹着をつけているだろう。

亡き親友の、実家に住んで家を管理することになった男の話。

男の前には、亡き親友を始め、百日紅の精や河童が現れ、庭には白木蓮を孕ませて仔竜を生ませる雷が落ちる。

不思議なことが、それほど不思議ではなかった時代。
人々が怪異を普通に受け止めていた時代…

しずかな、水墨画のような、古い映画のような、美しい物語。

ISBN:4104299030 単行本 梨木 香歩 新潮社 2004/01 ¥1,470

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