「りかさん」

2007年12月3日 読書
ああ!
時々、キラキラとした光のしずくが見えるような本に出会うことがある。

懐かしいにおいがする。
しんとした空間の持つ、少し湿ったような、静かなにおい。
本を読みながら幼い頃感じた、親戚だったか…古い家の、今はいないお姉さんの部屋のにおい。

蔵のある風景を私はしらないけれど、今でもこんな、古いものが息づく「家」はあちこちにあるだろう。

「りかさん」は小学高学年向けの小説。

日本人形の「りかさん」がようこの家にやってくる。
おばあちゃんのところから。
りかさんはまっすぐに正しく愛された人形だから、ようことお話しできる。
人形たちの持つ、記憶をスクリーンに映すように、ようこに見せることが出来る。
悲しい記憶を持つお人形、
背守を探して、家に帰れないと泣く小さな女の子の「姿」、
ようことりかさんが、そしておばあちゃんの麻子さんが、隠された悲しい秘密を解きほぐす。

上等な「お話」を読むと、幸福感でいっぱいになる。
なかなか、毒にならない「お話」って、少ないのだ。

梨木香歩は「西の魔女が死んだ」を書いた作家。
実は、ずっと気になりながらもまだ「西の魔女が死んだ」を読んでない。
映画化されるそうだから、その前には読みたい。

ISBN:4037444208 単行本 梨木 香歩 偕成社 1999/12 ¥1,260

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