「レディに捧げる殺人物語」

どん太さんのところから持ってきました。
にゃんこの命署名
http://www.animal-family.org/signature/
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フランシス・アイルズの小説を名香智子が漫画化したもの。

この、原作の表紙もこのコミックと同じイラストが使われている。
初めて原作を読んだのは15年くらい前だろうか。
タイトルと表紙にひかれて手に取って、読んでみたら、物語の最後で頭を殴られるような衝撃を受けた。

そんな不条理な結末があっていいのか！

これはもう、ぜひ、コミックよりも先に原作を読んでいただきたい。

主人公のリナは大金持ちの娘だ。
頭がよく、地味なので男性との付き合いが無かったが、顔がよいことだけで世の中を渡ってきたランディに言いよられて恋に落ち、結婚する。
このランディという男、まー、絵に描いたようなろくでなし。
顔がいいし、口もうまいし、物腰は洗練されてセンスもいい。だけど金遣いは荒く、金銭感覚もない上に、ギャンブル狂いと来た。

リナは傷つきながらもランディを愛し、庇護せずにはいられない。
しかしリナの知らない所でランディの借金はふくれあがってゆく。
金をどうにかするためにランディが画策したことは…。
そしてその画策に気づいたリナの選択は…。

と言うのがだいたいのあらすじですが、そのリナの選択がさ！
本当に、しばらく呆然としてしまったのですよ。

原作は、リナの視点で進んでゆく。
だから読んでいる方はリナの選択に衝撃を受ける訳です。
ラストまで、リナの視点でリナの感情や心の動き、ランディのろくでなし加減がみっちりと書かれていて、その書かれ方がコミックの比ではないので、ぜひぜひまずは原作から読んでいただきたい。

んで、名香智子のコミックは、非常に時代背景がわかりやすいので、こちらもおすすめ。

何で突然名香智子かと言うと、「比類なきジーヴス」と言う小説を読んでおりましてですね、「これは名香智子が漫画化したら面白いかもしれない、特に主人公のおぼっちゃまを名香智子が描いたらすごくわかりやすいかも」と思いながら古本屋で漫画コーナーを眺めていたら、ちょうどこれが売ってて、ほくほくして帰ってきたからなのでした。

ISBN:4063601072 文庫 名香 智子 コミックス 2001/10 ￥578