作者は30歳の半ばくらいだろうかと想像していたのだが、まだ20代後半だった。
写真を見て「若っ!」とおののいてしまった。

筆力があると言うのは素晴らしい。いい物語を書くのに、年齢は関係ないのだ。

主人公理帆子は、高校の図書室で3年生の別所あきらに話しかけられる。

写真家の父親は癌を苦にして失踪、
母は同じく癌で入院しており、余命いくばくもない。

どこか覚めた目で、自分を周りから一歩引いて見る理帆子。

物語の謎は、最後の最後、何もかもあきらかになる。

制服の袖、
レストランでちらちらこちらを見るカップル、
松永と別所と郁也の母親の関係、
落ち着いた、分別のある別所あきら。

何気なくちりばめられた小さなストーリーが、読み進めるうちに「違和感」に繋がり、それが大円団を迎えて明らかになる。

すごい。ちょっと興奮した。

10時くらいから読み始めて、途中でやめようと思ってやめられず、読み終わったら夜中の1時半だった。

眠い。

ISBN:4061824589 新書 辻村 深月 講談社 2005/11 ¥1,040

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