建てて、いい?

2007年6月11日 読書
女。
独身。
アパートでの生活。
三十代後半。
一年間留学した経験から、英語の能力を買われて、従姉妹の雑貨の通信販売会社で働く。

その主人公が、ある日、ゴミ袋を持ったまま階段から転げ落ちる。
自分の居場所が欲しいと思い、
40までには結婚するぞと心に誓うのだが、
本当に欲しいのは、「家」なのだと気が付く。

自分が住む部屋の、壁の向こうにはちゃんと空間があって、境界があって、他人がそこにいない居場所。

ちょっと前、女性が自分の居場所を手に入れようとしたら、マンションだったんじゃなかろうか。
家か。
すごいな。
家を建てるにはもちろん、よい建築事務所に巡り会えなくちゃならないが、主人公は巡り会えたが故に、現実に向かってジャンプする力を得てゆく。

私も家を建ててみたいと思う。
3億当たったら、やっぱ家だな。
床は黒っぽい茶色。
壁は珪藻土。
木枠の窓。
イメージはある。
リビングの吹き抜けは絶対に作らない。
友達のうちが吹き抜けリビングで、二階に物音も話し声も全部筒抜けだった。
そのかわり天井は高くする。

考えはじめると夢は膨らむが、現実問題としてあり得ないこともわかっている。

主人公が無事に家を建てられるかどうかは読んでのお楽しみ。

ISBN:4062139383 単行本 中島 たい子 講談社 2007/04/06 ¥1,365

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