今日のことではないのだが、夕方、電話がかかってきた。

うちは自営業なので、見知らぬお客から電話が来たりする。

私が知らないだけで、夫はよく知っている人であったりもするから、名乗らなくても邪険にせず、「今主人と代わりますね」と言うくらいだ。

その時の電話もそう言う人からかと思った。
声はおとなしめの、年配の女性っぽい。

私「はい、もしもし」

客「そちらは、(屋号)さん?」

私「はい、そうです」

客「あのね、私ね、ヤフーのネットでね、侘助を見つけてね、それでどうかと思ってお電話したんです」

私「あ、そうですか、今主人に代わりますのでお待ちください」

この時点で、夫の客が、「yahooオークションで侘助のいいのを見つけたのだが、ネットのことでもあるし、これは買いかどうかの判断がつかない。なので(屋号)さんに見てもらって、相談したいのだ」と言うつもりの電話をかけてきたのだと思った。

で、夫に、「なんか、女性の、少し年配のお客さん」
と電話を代わった。

そのときは晩ご飯の支度中だったのでそのまま台所に引っ込んだ。
あんな年配(と思われる)の女性にも、ネットの波は押し寄せてるんだなーと、のんきに感心しながら晩ご飯の支度をしていたら、夫が微妙に苦笑しながら話しているような声がとぎれとぎれに聞こえてきた。

少しして、夫が、
「いやぁー、びっくりしたわー」と
ほうけながらやってきた。

「何よ?」と話をよく聞いてみると、
今の客、

「あのね、私ね、(屋号)さんのネットショップで侘助を見て、欲しいなあと思ったんですけどね、

yahooオークションでも侘助を見つけてね、

すっごく安かったんですよ。

欲しいなあと思ったんですけどね、

やっぱり私、買うのをやめたから、

(屋号)さんが買ったらどうかと思ってお電話したんです。

とっても安かったから、売ってる人なら買うでしょ」

と言う電話をかけてきたのだそうだ。

「…初めてのお客さん? 知らない人ってこと?」と聞いたら、そうなのだそうだ。

「それって、自分は買わないからうちに買えって、小さな親切で電話してくれたってこと?」

「…そうみたい」

なんて言って返事したのよ? と聞いたら、「ご親切にありがとうございます、でも、自分で見てみないとわかりませんし、だいたいオークションは値段を安めに設定して、そこから競り上がると言うのを想定してますから、今安くてもそれがその値段と言うわけではないんですよ」と言う内容を、相手が納得してくれるまで、話していたらしい。

あのね、これってね、

音楽評論家の家様に、
「あなたに○○の記事を書いてもらおうと思ったんだけど、ネットで見ていたら違う人が記事を書いていたのよ。私は頼むのをやめたからあなた、その人に記事を書いてもらってみたらどうかと思って」
と電話するようなもんではないでしょうか。

あるいは、営業のるる♪ちんに、
「あなたに営業をお願いしようと思ったんだけど、ネットで営業している人がいたのよ。私は頼むのをやめたから、あなた、その人に営業してもらったらどうかと思って」
と電話するような以下略。

あるいは、墓地販売の会社に、
「あなたのところの墓地を買おうと思ってたんだけど、ネットでも墓地販売しているところがあったのよ。私は買うのをやめたから、おたく、その会社の墓地を以下略」

夫はしばらく、

「いやー、いろんな人がいるもんだなー」
「いやー、ほんとに驚いたわ」
と言い続けていました。

斜め上を行くって言うのを初めて身を以て経験しました。

コメント

るる♪
るる♪
2006年11月22日10:30

びっくりだね(笑)

でも、今の私の気持ちなら、そのネットで見つけた営業さんに営業を頼みたいところだわ(笑)
見つかったら、教えてねw

蜜柑
蜜柑
2006年11月22日23:31

書いたあとに、もしかして、会社組織のお客様窓口みたいなところだったらよくある話だったりするんだろうか、とふと不安になったりしたんだけど、びっくりしていいんだよね(笑)

ネットで見つけた営業さん、見つけたら教えるね(w

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