トラブル・クッキング

たった今、群ようことおんなじことをしてしまった。

明日の朝パンを食べようと思って、パン焼き器に粉をセットした。

タイマーボタンを押すつもりで、スタートボタンを押してしまった。

ああああー！

焼き上がるまで寝れないじゃないか！

うちのパン焼き器は古いので、キャンセルさせるには捏ねが一段落した後に中の型を外すしかない。

仕方がない、こねが一段落するまで待つか、と思ったら、

なんだかフコフコフコフコと言う音がして、粉が捏ねられていない。

水入れた（一度入れずにスタートさせてしまったことがある）

なんだなんだ。

そこではっと気がついた。

羽根をセットしてないよ！

群ようこのトラブルクッキングを読みながら、羽根をセットし忘れることなんてほんとにあるのかあ〜？　と苦笑したことがあるけど、自分もやってるじゃないか！

しかし、たしか群ようこは、冷静に手を突っ込んで羽根をセットしていたではないか。

私も羽根をセットすればいいのだ。

そこまで考えて、羽根をセットした。おお、冷静じゃないか、私。

冷静なつもりだったが、でも慌てていたんですね。

もしかして、羽根をセットするための棒が出ている穴の隙間から、水が漏れてる？　と思ってしまい、何を考えたか、型を外してしまったのですよ。

持ち上げた途端、当然穴から水がしたたり落ちる。

声にならない叫びを心の中であげながら、慌てて型をセットし、
べたべたと粉粉入り交じった中に手を突っ込んで羽根もセットし直し、

粉を手で捏ね、水を粉に吸い取らせました。

粉がある程度まとまったら型を外して、

泣く泣く、釜の中にこぼれた水のお掃除をしました。

アホだ、私。
水を入れた時点で、そのままスタートボタンを押せばよかったのだったよ。
多少水が漏れてても、無視していればよかったのよ。

慌てるとろくなことが無いというのはこのことですね。

ISBN:4087488039 文庫 群 ようこ 集英社 1998/07 ￥420