火垂るの墓

2005年11月2日 読書
今日はこの話題が多いだろうなあ。

見てしまいました。んで、最後エンドロールで泣きじゃくってしまった。ありゃ卑怯だよ。

子供が二人いて、自営業で、夫と12歳も離れていると、1人で子供を育てなくてはならなくなった場合、と言うものをよく考える。
サラリーマンの人達と違って、何も保障が無い仕事であり、夫が病気、あるいは事故で働けなくなったとしても、にっちもさっちもいかなくなる。
平均台の上を、危なっかしく歩いているようなものだ。

四人の子供を抱え、夫とは死別し、疎開先で手助けも得られず、なおかつあと二人の子供を養わなければならなくなったとしたら、私はどうするだろう。
ひよ子が幼稚園に上がったら、すこしでもなんでもとにかく仕事をしたいと思っている。
けれど今考えているそれは、夫の仕事のいくらかの足しであり、経済の柱ではない。

お金がない、でも出てゆく、と言うのはもうイヤというほど味わっているので、清太と節子を見捨てた「おばさん」の心のうちがなんだか解る気がするのだ。
夫は亡くなり、娘を二人抱え、もう1人子供を預かることになったら、私はどうする?

極限状態でそれでも優しい気持ちを持ち続けられるかどうか、心もとない。

子供がいなかったら、松島奈々子扮するおばさんはただひたすら憎悪の対象になっただろう。彼女の気持ちはまったく理解出来なかっただろう。

 このドラマはフィクションですが、
 世界中にはまだたくさんの清太と節子が
 いるのです

と言う最後のテロップに、頬をはたかれたような気がした。

ISBN:4101112037 文庫 野坂 昭如 新潮社 1972/01 ¥460

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