宮部みゆきの時代小説を読むようになって、先日アンソロジーを借りてきた。
以前、母の週刊新潮だか何だったかの、平岩弓枝の時代小説を読んで、生首の塩漬けの描写で吐きそうになったことがあって、平岩弓枝は読むまいと誓っていたのだが、アンソロジーを読んだらおもしろかったのだ。

実はNHKの金曜時代劇の、御宿かわせみが好きで、高島礼子に惚れていたのだが、本のほうには手が出なかった。

ああ、私は食わず嫌いをしていたよ。
イヤ一度食べてたか。
しかしおもしろいんだ。

時代小説って、基本的にミステリじゃないですか? 最後には必ず謎が解けて、人情でほのぼのして(しないのももちろんある、やるせなさだけが残るような、秀逸な)、気持ち良く本を閉じられる。

最近の若手のミステリは、あんまりにも陰惨で読んだ後にくたびれてしまう。しんどくなって、手が出なくなってしまった。
私が読みたいのは、血みどろの惨劇ではない。傷つけあう陰湿な動機でもない。謎が謎を呼び、最後の最後で解き明かされてカタルシスを与えられる。それを求めているのだ。

と言うことで、しばらく退屈しないでしょう。何しろ、御宿かわせみは長いシリーズだから。

ISBN:4167168952 文庫 平岩 弓枝 文藝春秋 2005/08/03 ¥540

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