←どう見ても32、3歳にしか見えないんだが、高校三年生である。
ピンポンの主要キャラクター5人(ペコ、スマイル、アクマ、チャイナ、ドラゴン)の中で、誰が一番好きかと言われたら、迷わずドラゴンと答える。
なんでかな、すごい好きだ。
映画版の、獅堂ドラゴンよりも原作の方のドラゴン。
すごいいい男だと思う。生き方が、不器用でかっこいい。強いだけに、背負っているものが際立って重い。
原作の第51話「high」の表紙。2枚のラケットの間で、星に向って握った両手を振り上げて伸びるドラゴンの後ろ姿を見ていると、なんだか感動して泣きたくなってくるのだ。
すごいな、松本大洋って。
後ろ姿だけでドラゴンを全部表現してる。
映画版を先に見てハマって原作を読んだのだが、さて、映画と原作どちらが好きですかと言われたら6/4で原作かもしれない。
義姪に「蜜柑さん、映画で感動してたら、マンガの方読んだら泣きますよ!」と言われた。
泣きまではしなかったが、じわじわと感動が残る。
なんども好きなシーンを読み返していたら、ダンナに「何でそんなに何回も同じ本読めるの!? 牛じゃないんだから!」と言われた。
いいの。
反芻してるの。
もーぐもーぐもーぐもーぐ。
原作の好きなコマとか、好きなシーンとか上げたらきりがないが、しいて言えば、小泉(コーチ)のところからスマイルが逃げ出して、それを聞いたオババが「スマイルも甘ったれてやがる。」「あいつもいけない。」と呟くところ。ペコがそれを聞いて「うん…」と応え、もう一度「うん…」と繰り返す。少しうつむき加減のペコの、その目のアップ。
いろんな思いがあるわけだ、ペコも。
それが、そのコマに凝縮されてる。
映画版にもすごく好きなシーンがある。
インターハイ予選の決勝、ペコとスマイルの試合の前。試合の時って、お互いのラケットを相手に差し出してラケットを確認してもらうようなのだが(ルールをよく知らないので推測)、ペコが(スマイルだったかもしれない)ラケットの柄を相手の柄にこつんと打ち付けて、それでOK、さあ始めるぜとポジションに着く。
これは原作の方にはない。
相手への信頼の高さを表現させてて、うまいなーと思う。
いやほんとおもしろいので、未読の方はぜひ一度。
ほんとに。
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