この小説はすごい。
なんてったって、ものすごい偏食で、小学校の頃、肉が食べられなくて時間内に給食を食べ終わったことが数えるほどしかなかった私が、「お肉っておいしいのかも」と思い、実際に本当に「肉っておいしいんだ」と思いながら食べられるようになったきっかけを作った本だ。

とにかく、食べられる肉といえばひき肉か鶏の唐揚げのみ。
今でも煮た肉は苦手だが、20代の前半まではまったく食べられらなかった。

それが、ステーキやローストビーフをうまいと思うんだからわからない。

この小説の主人公は、うんと痩せているのにがばがばと飲みかつ食らう女性だが、こんな食欲の女の人いるわけないじゃん、太りもしないでとずっと思っていた。
だけどいたのね。
最近はとんとやらなくなった(いいことだ)けど、大食いのテレビを見てはじめて、「本当にいたんだ、こう言う人」と思った。でも大食い選手権とかって見ていて嫌だったな。他人が口の中にものをいっぱい詰め込んでるのを何でテレビで観なくちゃならないんじゃと不愉快だった。
量を食べることが目的じゃなくて、おいしそうにおいしいものをたくさん食べることが目的の大食いなら読んでいて楽しい。

補足。初版が昭和61年だが、この頃は栗本薫もおもしろかったんですよ。
グインだって伊集院さんだって、ほんとにおもしろかったんだよなあ…。

ISBN:4334026788 新書 栗本 薫 光文社 1986/12 ¥714

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