あのあと、助産院に電話をし、キャンセルが出たというので駆けつけ、話を聞いてもらった。

そこでわかったことは、

私を担当した医者はどうも4月に移動してきたばかりらしい(助産婦さんの記憶にない医者だった)

と言うことだ。

ああ、それで、あんなに看護婦さんに変なものの言い方をしていたのか、と腑に落ちる。

助産院ではもちろん医療行為が出来ないから、血液検査もしない。ので、HIV検査や血液型の確認もその総合病院でやることになっているのだが、看護婦さんが「この方はHIVの検査がまだで…」と言うと、「それって、うちには関係ないんでしょ(もしエイズであっても出産するのは助産院なんだから)。助産院の問題でしょ」と言い放った。
確かに私は出産は助産院でしたい。病院ではしたくない。
しかし、出産中に異常があったら搬送されるのはその総合病院だ。
帝王切開になったら、妊婦の血液に触れるのは目の前を担当医を含めた、その総合病院の医者なのだ。
提携している、と言うのはそう言うことだ。と、私にも想像がつくのだが、その医者にはまだ理解出来ていないらしい。

だから「このまま逆子だったらどうすんの」と言う言葉が飛び出してきたわけだ。
どうするもなにも、逆子で助産院での出産は危険だったらこちらで産むに決まってるじゃないか、そう言う話になってるんだから。
アンタの移動してきた職場は「助産院と提携してる産婦人科」なんだから。

新しい職場に慣れなくて、システムにも不慣れで、ぴりぴりしていたんだろう。

だからと言って、その矛先がこちらに向うのは納得がいかないし許しもしない。
それに私が万が一HIV患者だとしても「うちには関係ない、助産院の問題」と切り捨ててしまえる神経がわからない。

そう言う考えの人間が医者として存在することが恐い。

夫がしみじみと、「蜜柑は本当に医者運がないな」と言ったが、私もそう思う。
どうも私には医者運がない。

 

少し時間を置いて、そうやって起きた出来事をもう一度思い返してみると、自分でも少し整理がつく。

納得がいくかいかないかは別として、整理がつくと落ち込みから回復も出来る。

前回の日記で、男は産婦人科医になるな、と激しい極論を吐いたが、よくよく考えれば女でも人間としてそれはどうなのかという考え方をする医者は多いだろう。

たまたま私が今行っている助産院では厳しいことを言われたり、嫌な思いをしたりすることが皆無なだけで、助産婦と言えどもきつい、妊婦や母親を泣かせるつもりで言ってるのかとしか思えないようなことを平気で言う人もいるだろう。

男性が全て産婦人科に向かないのではなく、その医者が、「医者」に向かない人間だったのだ、と思うことにする。
(今までこの人ならば信用できると思えた産婦人科に出会ったことがないが)

 

 
助産院では胎児の向きと位置を詳しく見てくれた。
担当の助産婦さんに話をしながらまたもやおいおいと泣いてしまって、かなりびっくりさせてしまったようだ。
「電話の声がいつもの蜜柑さんと違うからどうしたかと思ってたけど」と言われてしまった。

あかんぼは、私の左脇腹あたりに頭を、下半身を私の骨盤の中にすっぽり入れてしまっているのだそうだ。
その骨盤の中に頭を入れないと正常胎位にならないのだが、下半身が入っているせいで頭が回転するスペースがない。

逆子体操も一日三回はした。
体操の後に左右どちらか向きに寝るのだが、勢いを付けて横になると胎児が回転しやすい、とどこかで読んだことがあったのだが、あまり意味がなかった。

うつぶせになって胸を付けて腰を高く上げるポーズ(ものすごく苦しい)を10分、仰向けになって腰を高く上げて寝るポーズを40分、それでもあかんぼの向きは変わらない。

超音波で診てもらうと、前に診てもらったときとほとんど同じ向き同じ位置。
家で横になっている時は頭が肋骨のすぐ下辺りにあるときもあるのだが。

とりあえず、あかんぼが小さい。おなかの中にはスペースはある。そして経産婦である、と言うことで33週(9カ月)くらいまでは自然に回る可能性が高い、都助産婦さんは見ているようだ。

いざとなったら、「徒手による胎児転回術」つまりおなかの上からあかんぼを回す名人を紹介する、と言う。
その助産院から経産婦でそこに行って逆子が直らなかったケースはないらしい。

手であかんぼを回す、のに危険がないわけではなくて、リスクも高いそうだが、本当にいざとなったらそれにかけてみようと思う。

どうしてもだめなら、帝王切開だってしかたないさ。
とまで思えるようになった。

それまでは、自然に逆子を治すための努力をしましょう、と言うことで、以下のメニューを指示された。

 半身浴
  ↓
 安産のツボと逆子に効くツボにお灸
  ↓
 逆子体操 仰向けと俯せそれぞれ

この、逆子に効くツボと言うのが、足の小指にあるのだが、これがなんとなく効きそうな感じがする。
ここにお灸をしてから横になると、今までになくあかんぼが位置を変えているのだ。
おなかの上から触ると、はっきりとあかんぼの頭がわかるのだが、その頭が今まで動けなかったところにあることがある。
あかんぼの足も、私の骨盤の上側で動いている時もある。

効くのかもしれない。これ。
じわりじわりとあかんぼが動いてくれるといい。
ぐるりんと回転しなくても、ゆっくり頭を下に向けてくれるといい。

いまはもう、祈るような気持ち。

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